ステビアの栄養成分と効能

ステビアの花 ステビアの花

ステビアの開花。秋、花の終わるころがもっとも甘くなるため、その時期に収穫して乾燥させる。

天然甘味料の原料にされる南米原産のハーブ

南米原産でパラグアイの先住民族グアラニー族に古くから利用されてきたキク科ステビア属の多年草です。外見は地味で爽やかな香りもありませんが、葉や茎には強い甘味があり、ハーブティーや紅茶、料理などの甘味付けに利用されています。日本の気候でも栽培しやすく、東海地方以南では露地栽培でも越冬が可能です。

U型糖尿病を細胞レベルで改善する夢の薬草

パラグアイでは古くから薬草(整腸剤など)としても利用されてきました。現在は高血圧や糖尿病などへの効果が確認されている他、米国消化器病学会週間でC型肝炎ウイルスを抑制する効果が発表されました。2006年には千葉大学の研究グループのよって、天然抽出物としては初めてU型糖尿病によるインスリン抵抗性を細胞レベルで改善する可能性が報告されました。その他にもアレルギー疾患の原因物質であるヒスタミンを解毒する作用が確認されています。

無農薬栽培の未来を探るステビア農法

農家レベルでもステビアは特別なハーブになりつつあります。ステビア農法がそれです。効果は偶然みつかりました。ある農家がステビアの茎をミカンの堆肥にしたところ、その樹のミカンだけ明らかに甘くなったといいます。メカニズムが解明されていないため推測の域を出ませんが、ステビアの解毒作用が土壌を改良したものと思われます。事実、他の農家が様々な作物で試しても似たような効果が再現されています。

無農薬で作物を育てようとした場合、作物自体が虫を退ける必要があります。その成分を自家農薬(植物自身が生成する虫や紫外線から身を守るための成分=ファイトケミカル)と呼び、具体的にはポリフェノールやカロテン、テルペン、イオウ化合物などを指します。これらは人にとっても有益な成分で、無農薬野菜が健康に良い理由のひとつでもあります。

害虫に強い作物を育てるには良い土壌が必要です。良い土壌とは、有害なものも含めた多種の微生物が同居する土のことです。土とは菌とその養分の集合体のことです。無農薬栽培の最終目標はそんな土づくりと言っても過言ではありません。ステビアを堆肥として利用することでそれが実現する可能性が高まっています。実際にこれを完成させるには、その土地特有の菌を記憶した遺伝子を有する種(自家採種された種=F1種ではない種=種苗店やホームセンターに売られていない種)が必要になるでしょう。しかしそんな種は品質にばらつきがあるため、成長の速度もバラバラで、経済的な観点からは不利になります。それでも挑戦と研究を繰り返してきた農家にとって、ステビアは希望の光になっています。採算的に不可能とされてきた無農薬栽培は、ステビア農法によって実現されるかもしれません。

ステビアを甘味料として利用する

ステビアの葉や茎は砂糖の200倍もの甘みがありますが、特有の苦味もあります。ステビアを煮込むと、甘みと同時に苦味も出てしまいます。熱湯で5分だけ蒸らした場合では苦味はほとんど出ません。そうした抽出液を煮詰めることで「ステビアシロップ」を作ることができ、飲み物や料理などの甘味付けに利用できます。

紅茶の甘味料としてステビアを利用する場合は、最初にティーポットにステビアを入れて熱湯を注ぎます。量はフレッシュの場合はひと摘み、ドライなら半摘み程度で十分に甘くなります。熱湯を注いで3分たったら、紅茶のティーバッグを入れて1分蒸らします。1分後(合計4分)、ティーバッグを軽く上下させてカップに注ぎます。ステビアの欠点は香りがないことです。もっと香りが欲しいときはレモンバームやローズマリー、ラベンダーなどと一緒に蒸らします。カロリーは事実上ゼロで、糖質もほとんどありません。

使用したステビアの出し殻は土壌改良剤として再利用できそうです。