ササゲの栄養成分と効能

お赤飯のための豆

原産地はアフリカですが、日本では平安時代には栽培され、お赤飯に使われています。語源は「神に捧げるるもの」の『捧げ』です。神事以外では小豆で代用されることが多くなり、家庭で一般的に食べられるのは「十六ささげ」と呼ばれる細長いさやの菜豆が中心です。

尚、よく似た莢豆に「インゲン豆」がありますが、別種です。味や栄養成分が近く、料理法が同じなのであまり区別されていなかったりもしますが、初夏から真夏に出回るのが莢ササゲ、夏から秋に出回るのが莢インゲンです。

主成分はでん粉(炭水化物)とタンパク質です。そしてビタミンB1、B2、不溶性食物繊維。ミネラルではカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などがバランスよく含有されています。

莢ササゲに期待できるビタミンB群

ビタミンB1は世界で最初に発見されたビタミンです。補酵素として糖質の代謝を助けるため、疲労回復のビタミンとも呼ばれています。玄米の皮(糠)に含有されていますが、白米を食べる現代人には不足しがちな栄養成分です。不足すると乳酸やピルビン酸などの疲労物質が溜まり、疲れや筋肉痛などの不調が出ます。また脳のブドウ糖が不足し、イライラや集中力の低下を起こします。

ビタミンB1は水溶性なので水で洗うだけでも流れてしまいますし、水道水中の残留塩素でも分解されてしまいます。熱にも弱く、長時間の加熱料理では失われてしまいますので、お赤飯ではあまり期待できません。

ビタミンB2は脂質の代謝を助けるビタミンです。活発に活動し、エネルギーを大量に消費する人ほど必要です。粘膜を保護し、皮膚や髪、爪などの細胞の再生を助けます。また動脈硬化を引き起こす過酸化脂質を分解します。

ビタミンB1同様に熱に弱く、長時間の加熱料理ではあまり期待できなくなります。

日本人に不足しがちなミネラルを豊富に含有

カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛などは日本人に不足しがちなミネラルです。人体は機能カルシウムが不足すると骨から取り出して使うため骨が弱くなってしまいます。骨から溶け出したカルシウムは血管細胞内にも蓄積され、動脈硬化の原因になります。10代のころにカルシウムが不足すると、将来の骨粗鬆症のリスクが高まります。

カリウムは厚生労働省の「栄養素等摂取状況調査の結果」ではほぼ目安量を摂れていることが分かっていますが、生活習慣病の一次予防には目安量以上の摂取が望まれます。カリウムはナトリウムを体外に排出することから、高血圧の予防、改善に役立ちます。通常の食事で摂りすぎの心配はありません。

カルシウムは日本人に不足しがちなミネラルです。とくに20代〜30代で不足しています。10〜20代で不足すると、その時は大丈夫でも、将来の骨粗鬆症リスクが高まります。カルシウムには体の生理機能を調節して、心を安定させる働きがあります。カルシウムが不足すると人体は骨から取り出して使用するようになります。その際血管の細胞内にも蓄積され、動脈硬化の原因になります。また長期的には骨粗鬆症として症状が表面化します。

マグネシウムは血管壁に溜まったカルシウムを除去し、動脈硬化を予防、改善します。またインスリンの働きを促すため、血糖値を正常に保ち、糖尿病の予防、改善に役立ちます。

亜鉛は成長の促進や新陳代謝を促進する酵素の材料です。舌の味蕾とつくり、味覚を正常に保つミネラルです。また「セックスミネラル」と呼ばれるように、テストステロン(性ホルモン)の産生に関与し、生殖機能や性欲を正常に保つ働きがあり、精力剤の成分としても有名です。亜鉛が不足しがちな日本人のセックス回数は平均を大きく下回っています。

さらに亜鉛はインスリンの材料でもあります。間接的には血糖値の正常化にも寄与します。また亜鉛が不足するとレプチンが減少することが分かっています。レプチンには満腹感を与える性質があります。亜鉛が足りないと満腹感も得にくくなります。

鉄分は月経のある女性や、成長期の子どもに不足しがちなミネラルです。鉄はヘモグロビンの構成成分で、ハイカラ酸素を全身の細胞に届ける役目をします。体に吸収されにくいミネラルの筆頭格で、吸収率は15%とも言われています。ビタミンCとの同時摂取で吸収率が上がります。鉄分は主に貧血を予防します。

ガン予防や老化の防止に

若い豆を莢ごと食べるササゲは緑黄色野菜で、βカロテンを豊富に含有しています。βカロテンは体内の活性酸素を除去して細胞の損傷を防ぎます。その優れた抗酸化作用で癌や老化を防ぎ、肌や膜組織を若く健康に保ちます。

βカロテンは「プロビタミンA」と呼ばれ、体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。ビタミンAは目のビタミンと呼ばれ、視力の維持に欠かせない栄養素です。欠乏すると夜盲症や角膜軟化症、成長障害、胎児の奇形を引き起こす恐れがあります。

βカロテンは脂溶性なので、油と一緒に摂ると効率的に吸収されます。また加熱することでも吸収はよくなります。