ライムの栄養成分と効能

ライム

カクテルの必需品

ミカン科ミカン属のレモンによく似た柑橘類で、マレーシア、ミャンマーからインド北東部が原産です。日本でも耐寒性のあるタヒチライムが栽培されていますが、メキシコなどからの輸入品が主です。爽やかな苦みと香りがアルコールと相性が良く、ジントニック、モスコミュールなどのカクテルに用いられています。

完熟するとレモンのように黄色くなりますが、酸味が抜けてしまうため通常は緑のうちに収穫されます。

ホストハーベスト問題と供給不安問題

多くは船便の過酷な環境で輸入されるため、発癌性(オルトフェニルフェノール)や催奇形性(チアベンダゾール)のある防かび剤が使用されます。このワックス状の防かび剤はなかなか落としにくいものです。食器用洗剤である程度落とすことができますが、今度は洗剤の香料が移ってしまうこともあり、皮を食べないことを前提に水で軽く洗っただけで提供されているのが現状です。しかし皮ごとドボンと沈めてしまうカクテルもあるので不安です。

供給不安もあります。ライムの多くはメキシコ産です。そのメキシコでは麻薬組織と自警団の対立が続いています。メキシコ人はライムが大好きで、メキシコ料理には必需品ですが、輸送中のトラックが武装組織に頻繁に襲撃されるなど、ライムの供給は安定していません。2014年にはこれに寒波による不作が重なり、日本では価格が高騰し、カクテルを提供するバーでも一時入らないこともありました。

国内のライム農家が増えてくれることを願うしかありません。

爽やかな香り成分のリモネン

ライムに限らず、多くの柑橘類はリモネンという香り成分(ファイトケミカル)を含有しています。リモネンを含め、ファイトケミカルは免疫細胞を活性化させてくれます。癌をはじめ、様々な病気やアレルギーを防いでくれます。

またリモネンには心を安定させる作用があります。アロマテラピーでも不安やストレスを取り除くために使われます。代謝を高めて脂肪を燃焼させる効果もあるため、ダイエットにも有効です。

ただリモネンは果汁よりも皮に多く含まれるため、皮も食べるなら塩で丁寧に洗うなどのホストハーベスト農薬対策が必要です。

豊富なポリフェノール

ライムは「ヘスペリジン」や「レリオントリン」など、豊富なポリフェノールを含有しています。ポリフェノールは強い抗酸化力で活性酸素を除去し、老化を防いであらゆる病気のリスクを下げてくれます。また虫歯菌の増殖を抑えたり、血糖値を下げて糖尿病を予防、改善する効果があります。

豊富なビタミンC

イギリス海軍は軍艦にライムを積み込み、兵士に食べさせた壊血病を予防しました。ビタミン欠乏説を否定した軍医、森鴎外が脚気死者を増産させたのとは正反対です。ビタミンCが欠乏すると毛細血管が弱くなり、皮下や粘膜、歯肉、関節内で出欠が起こるなど、壊血病に罹患しやすくなります。

ライムに豊富に含まれるビタミンCは、強い抗酸化力で活性酸素を除去し、血液をサラサラにしてくれます。コラーゲンの生成をサポートして皮膚や粘膜を強化してウイルスの侵入などを防ぎます。

ビタミンCはメラニンの生成を抑制してシミを予防します。また美肌、美白効果など、様々なアンチエイジング効果を発揮します。アルコールの分解で生成されるアセドアルデヒドを分解するなど、お酒の好きな人にも必要な栄養素です。アルコールと相性がいいのも頷けます。

イライラや鬱を解消するビタミンB群

最近なんかイライラしてるな−とか、元気が出ないなーと思ったら、ビタミンB群が不足しているかもしれません。ビタミンB群が不足するとイライラや鬱などの原因になります。またビタミンB群は肥満を予防、改善するダイエット効果や、肌、目の老化、肩こり、痴呆症予防にも効果があります。ビタミンB群は加熱で壊れやすいので、絞り汁を利用するライムではとくに効果的です。

ビタミンB1は補酵素として糖質の代謝に関与します。疲労回復のビタミンとも呼ばれ、不足すると乳酸やピルビン酸などの疲労物質がたまり、筋肉痛などの体調不良の原因になります。また傷ついた細胞を修復する効果も知られています。

ビタミンB2は脂質の代謝を助け、皮膚、髪、爪などを若く保ちます。また粘膜を保護しす。尿の黄色い成分はB2の色です。

その他ライムはナイアシン、パントテン酸、葉酸なども多く含有しますが、日本人の平均的な食事で不足することはありません。

ミネラルをバランスよく含有

ミネラルは人体の構成成分として生命に必要な色々な作用、酵素作用、代謝調節作用などに関与しています。そのうちマグネシウム、亜鉛、マンガン、銅の摂取量が減少しています。

ライムにはカルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルを豊富に含有しています。カルシウムは骨や歯を強くし、骨粗相症などを予防します。不足すると体がスムーズに動かず、イライラの原因になります。女性ホルモンが減少するとカルシウムが抜けてしまうため、閉経後の女性は積極的に摂りたい栄養素です。

最近になってマグネシウムは高血圧、糖尿病、虚血性心疾患などの生活習慣病に深く関与していることが明らかにされました。(国立健康・栄養研究所)

またマグネシウムは補酵素としてタンパク質の合成やエネルギーの生成に関与しています。筋肉細胞にあるカルシウムの料を調節し、筋肉の収縮を促します。不足するとカルシウムが血管壁に溜まり、動脈硬化の原因になります。

カリウムは体内のナトリウムを排出して、食塩感受性のある人の血圧を下げます。日本人の平均的な食事ではほぼ目安量が摂れていますが、高血圧を中心とした生活習慣病の一次予防には目安量以上の摂取が望まれます。

クエン酸による疲労回復効果

ライムの酸っぱい成分はクエン酸です。クエン酸は疲労物質である「乳酸」を分解除去し、さらに生産されにくくもするため、疲労回復、疲労予防に効果的です。

また血液をサラサラに保ち、心筋梗塞や脳梗塞などを予防する他、ビタミンCとも相乗して美肌効果を発揮します。