大豆(だいず)の栄養成分と効能

日本文化を支える最重要野菜のひとつ

豆腐、納豆、味噌、しょう油など、日本の食文化を支える重要な野菜です。畑の肉と言われるほどタンパク質が豊富で、あまり獣肉を食べなかった日本では重宝されました。大豆のタンパク質には人に必要な必須アミノ酸(体内で合成できないアミノ酸)がバランスよく含まれています。玄米は完全栄養食と言われていますが、唯一必須アミノ酸のリジンが不足しています。リジンを豊富に含有する大豆はコメとの相性が抜群ということです。旬は秋から初秋ですが、枝豆は夏野菜です。

もっともガンを予防する効果の高い野菜のひとつ

アメリカでは、もっともガンを予防する効果が高い食品(デザイナーフーズ)8種の中に大豆が選ばれています。さまざまな栄養素の相乗効果が効いているものと思われますが、とくに大豆サポニン(苦味成分)はガンや老化防止に有効です。

白米と味噌は相性抜群

精白米には、必須アミノ酸の内、体内でタンパク質を合成するリジンが極端に少なくなっています。必須アミノ酸は、足りないものが一種類でもあると他のすべてのアミノ酸の機能を下げてしまうことが知られています。木綿豆腐や納豆にはリジンが豊富に含まれているため、理想的なごはんのおかずになります。

納豆+ビタミンCで完全栄養食品

同じ大豆製品でも、豆腐には食物繊維がありませんが、納豆にはたっぷり含まれています。

納豆を含む大豆の欠点はビタミンCを含有していないことです。刻みネギなどを加えてビタミンCを追加すると、それだけで完全栄養食品になります。納豆は、大根おろしを加えると糸をひかなくなります。

納豆に含まれる大豆サポニンは、過酸化脂質(動脈硬化の原因)の生成を抑制する働きがあります。

さらに細胞膜を作るのに欠かせない脂質レシチンが多くふくまれており、血中コレステロールや中性脂肪を溶かしてくれるため、心疾患や脳卒中の予防になります。血栓ができやすいのは夜中から朝方にかけてなので、夕食に納豆を食べると朝まで安心です。

また、レシチンは脳の神経細胞の伝達物質アセチルコリンを生成するため、脳の情報伝達の効率がよくなります。つまり頭がよくなります。

ナットウキナーゼ(糸を引く粘り気のある酵素)もレシチンと同じように血栓を溶かすので、相乗してさらに大きな効果が期待できます。

納豆にはビタミンK2も含まれています。ビタミンK2は骨を強くする働きがあります。

放射線から体を守る味噌汁

マウスの実験では、事前に味噌を与えられたマウスは、放射線による障害を和らげることができたそうです。広島、長崎で被爆された方でも、味噌汁を飲んでいた方の多くは天寿をまっとうされています。

食塩感受性(食塩を摂ると血圧が上がる体質)のある人でも、味噌汁の塩分では血圧が上がらないことが分かっています。それどころか、毎日2杯の味噌を飲めば高血圧になるリスクを大幅に下げることができると言われています。

さらに大豆に含まれるイソフラボンやメラノイジンは、血糖値を下げる効果があります。大豆製品は血液中の総コレステロールや悪玉コレステロール、中性脂肪を下げることも確認されています。

秋田大学が納豆から抗菌ペプチドを発見

経口摂取での効果は不明ですが、秋田大学納豆から「抗菌ペプチド」というアミノ酸の塊を発見しました。人やマウス由来のがん細胞に抗菌ペプチドを投与したところ24時間以内にがん細胞が死滅しました。抗菌ペプチドはヘルペスウイルスや肺炎球菌にも効果があることが確認されています。

若い大豆「枝豆」には豊富なビタミンC

枝豆

若い大豆をサヤごと収穫したものです。大豆は畑の肉と言われるほど多くの植物性タンパク質が豊富です。枝豆には、大豆にはないビタミンCを多く含んでいます。初夏から夏が旬ですが、一年を通して中国、台湾、タイからの輸入品が多く出回っています。アルコールの分解を促すこともあり、肴の定番になっています。

ほぼすべての栄養素を持つ若い豆

枝豆にはビタミンB1、C、葉酸、食物繊維が豊富です。ビタミンB1は補酵素として糖質の代謝に関与し、神経機能を正常に保つ作用があります。ビタミンCにはコラーゲン合成、筋肉・血管・皮膚・骨の強化、過酸化脂質の生成を抑制、抗癌作用があります。葉酸は赤血球の産生、補酵素としてDNA合成に関与、胎児の先天異常を予防します。

またサポニンが、コレステロールを下げることから、動脈硬化の予防に有効です。

大豆の欠点はビタミンCが足りないことですが、枝豆の時点ではたっぷり含んでいます。

イソフラボンは女性の味方

イソフラボン(胚芽部分に多く含まれるポリフェノール)は女性ホルモンとよく似た働きをするため、骨粗しょう症の予防や、更年期障害の軽減に役立ちます。

豆類の中では鉄、葉酸がダントツに多いため、貧血の予防に効果的です。

他にもビタミンE(細胞膜の酸化を防ぐ。過酸化脂質の生成防止、老化予防、赤血球の溶血防止)、リノール酸(血液中のコレステロールを低下させ、動脈硬化などを予防するが、過剰摂取は動脈硬化、アレルギー、高血圧などを招く)、オリゴ糖(腸内善玉菌のビフィズス菌の増殖を促進)なども多く含んでいます。