大根の栄養成分と効能

大根

1200年以上も前に伝播した基本野菜

コーカスからパレスチナ原産。アブラナ科の一年草で、本来は冬が旬ですが、品種改良により一年中露地物が流通しています。厚生労働省の規定では、βカロテンが100gあたり600μg以上含まれている野菜を緑黄色野菜、それ以外はすべて淡色野菜としています。真っ白な大根は文句なく淡色野菜ですが、葉は緑黄色野菜です。また菜ばなも食用になります。

大根おろしを食べるとがんを予防、抑制できる

大根おろしの辛味成分は魚や肉の焼け焦げに生じる発がん性物質の9割を解毒(オキシダーゼの働き)します。また食物繊維のニグニンが種々のガンに効くことも分かっています。

同じく辛み成分のイソチオシアネート(イオウ化合物)は強力な抗酸化物質です。がんや生活習慣病の予防や、血栓をつくりにくくします。

熱に弱いビタミンCや、がん細胞を抑制するリグニン、胃の消化を助けるアミラーゼなどの成分は大根おろしにするとさらに効率よく摂ることができます。

大根おろしは「辛ければ辛いほど効果的」なようです。大根は先のほう(根の部分)が辛く、醤油をかけて温かいご飯にかけて食べると辛さにむせ返りそうになりますが、癖になる辛さです。

TNFの産出が多いほどガンになりにくくなります。TNF(腫瘍壊死因子)とは、ガンの抑制に効果的な成分です。大根の絞り汁をラットに注射するとTNFが16倍に上昇したという報告があります。同じ淡色野菜「キャベツ」の絞り汁では30倍に上昇しました。大根を含む淡色野菜には、ガンを抑制する効果があることが確認されています。

大根おろしはピロリ菌を死滅させる

大根100gを大根おろしにして食べると、ピロリ菌がほぼ全滅してしまします。栄養は皮の部分に多いため、皮を剥かないほうがいいようです。ただし「ほぼ全滅」であって、完全に死滅するわけではないので、常食が望まれます。

さまざまな酵素が胃の調子を改善

大根に含まれるでんぷん分解酵素のジアスターゼ、脂肪分解酵素のリパーゼ、タンパク質分解酵素のプロテアーゼなどが胃の調子を改善します。胃が健康になると他の多くの栄養素も効率よく吸収できるようになります。

大根葉は美肌に最適な緑黄色野菜

大根の葉にはビタミンA、C、βカロテン、カルシウム、鉄分、ビタミンP(ビタミンCの働きを強化する)などが豊富に(代表的な緑黄色野菜のほうれん草よりも圧倒的に)含有されています。とくにビタミンCの含有量は群を抜いています。

油を使った加熱料理ではβカロテン(体内でビタミンAに変化。眼の網膜色素の成分、皮膚・粘膜を健康に保つ。抗癌作用)が、生ではビタミンC(コラーゲン合成、筋肉・血管・皮膚・骨の強化、過酸化脂質の生成を抑制、抗癌作用)が効率的に摂取できます。どちらも美肌やアンチエイジングにうってつけです。

しかし葉っぱがついたままでは出荷用の規格の箱に入らないため、通常は農家が切って捨ててしまいます。できれば農家との直接取り引きで「葉も欲しい」とアピールしましょう。

デザートにもなる生大根

根の先へ行くほど辛い大根ですが、茎の部分は甘く、塩をちょっと振って食べるとメロンのような甘さを感じます。

糠漬けの定番野菜

ナス、キュウリ、ニンジンなどと並び、大根も糠漬けに最適な野菜です。普通に漬けても美味しいのですが、皮がコリコリしてとくに絶品です。

大根は糠漬けにすることで糠床に溶けたビタミンB1、ビタミンB2が染み込みます。

ビタミンB1は補酵素として糖質の代謝を助けます。また神経機能を正常に保つ働きがあります。

ビタミンB2も補酵素として糖質、脂質、タンパク質の代謝を助けます。成長を促進し、過酸化脂質を分解します。

また糠漬けの乳酸菌は生きたまま腸に届いて、水溶性食物繊維などを餌にして善玉菌として腸内フローラの状態を改善してくれます。

辛味大根って知ってますか?

辛味大根

辛味の強い大根おろし専用種の総称です。皮が紫色のものなどもありますが、白いものが人気です。一般的に小ぶりで形は蕪に似ています。江戸時代(元禄のころ)から栽培が始まり、おろしたものを蕎麦や焼き魚に添えられてきました。

畑では通常、大根は土に下2/3ぐらいが土に埋まっていて、残り1/3は地上に出ています。大根が辛いのは土に埋まっている部分ですが、辛味大根は全部がすっぽり土に埋まっています。

普通の大根おろしのつもりでご飯に乗せて食べると、あまりの辛さにむせ返ることになりそうです。好きな人はめっぽう好きなマニアックな大根です。